低所得でも節約しながら栄養をしっかり補給できる食事術

2015年12月に厚生労働省が、所得が200万円未満の世帯で栄養のバランスが良い食事が摂れていないと発表しました。

その発表では、低所得者の1日の穀物の摂取量が男性は535グラム、女性は372グラムとなっており、所得600万円以上の世帯と比較すると20グラムから40グラム多くなっているということです。穀物は安いので、どうしても低所得者で食べる量が増えるという結果です。

まず、知っておかなければならないのは、穀物は炭水化物を多く含んでいるので、食べる量が増えると健康を害すという事実です。玄米でも雑穀米でも同様です。したがって、米や小麦はできるだけ食べない方が健康的なのです。

そして、穀物を食べなくても食費を抑える方法はありますので、いくつか紹介します。

1.玉子料理を多く食べる

低価格で最も栄養価が高い食材は卵です。

鶏卵はビタミンC以外の全ての栄養素を補給できる完全栄養食品なので、積極的に食べましょう。価格も非常に安いですから、食費の節約に大きく貢献してくれます。

多くのスーパーでは、鶏卵が10個で200円程度で売られています。安売りの時には100円程度で買える場合もあります。安売りの時には、1,000円以上の買い物といった条件が付くこともありますが、とりあえず安売りされている時には必ず買うようにしましょう。

目玉焼き

鶏卵はコレステロールが多いので健康を害すのではないかと思うかもしれませんが、何の問題もありません。

2015年4月に厚生労働省が、血中のコレステロールと食べ物との間に因果関係がないと発表していますし、その2ヶ月前にはアメリカでも同様の発表がありました。昔から卵をたくさん食べても血中のコレステロール値を上げないことはわかっていたのですが、日本人はずっと迷信を信じていただけです。

これほど安く栄養価の高い食品なのですから、毎食1個以上食べたいですね。

2.輸入食肉を買う

バランスの良い食事をするためには、鶏卵の他にも肉をたくさん食べなければなりません。しかし、国産の牛肉や豚肉は値段が高いので、食費を節約するためには、輸入食肉を買いましょう。

栄養価の高い牛肉を食べるのが理想ですが、輸入品でも値が張るので、豚肉を選ぶのがおすすめです。牛肉と比較すると栄養は少ないですが、鶏肉よりも栄養価が高いですから積極的に食べたいですね。

もちろん、鶏肉も値段が安いので、うまく組み合わせるようにしましょう。

また、脂質を多く摂取するために脂身が多い部位を選ぶべきです。豚肉だとバラ肉、鶏肉だとモモ肉ですね。

牛肉を食べたい場合は、オーストラリア産牛肉がおすすめです。オージービーフは、年々、関税率が引き下げられていくので、今後ますます食費の節約に貢献してくれます。

3.レバーを食べる

鶏卵と同じように栄養価の高い食品がレバーです。

レバーには、ビタミンとミネラルが豊富に含まれていますから、野菜を食べるのならレバーを食べた方が良いです。また、値段も鶏レバーであれば100グラムが50円や60円程度で買えますから食費の節約に大きく貢献してくれます。

ただ、レバーにはビタミンAが多く含まれているので、過剰症に注意しましょう。1日のビタミンAの上限値は、男女ともに成人で2,700マイクログラムです。レバー100グラムに含まれるビタミンAは以下のとおりです。

  • 鶏レバー=14,000マイクログラム
  • 豚レバー=13,000マイクログラム
  • 牛レバー=1,100マイクログラム

鶏レバーと豚レバーは、100グラムで1日の上限値を超えてしまいます。しかし、上限値は1ヶ月といった長期間の平均で超えると過剰症が起こるということなので、1週間に100グラム程度であれば上限値を超えることはありません。なお、ビタミンAの1日の推奨量は男性で900マイクログラム、女性で700マイクログラムです。

ビタミンAの過剰症は、肌の乾燥、脱毛、倦怠感といった症状なので、このような症状が出た時はレバーを控えましょう。

4.手羽元や鶏皮も利用する

鶏肉は、牛肉や豚肉と比較すると栄養価が低いですが、低価格で購入できるので、食費の節約のために利用したい食材です。

特に手羽元や鶏皮であれば、100グラムが50円程度で買えます。これだけ安くで手に入るのですから、総菜パンを買うよりも経済的です。また、鶏であれば砂肝、豚であればホルモンも比較的安くで手に入ります。

栄養価を見ても、米やパンより優れています。

5.脂質は動物性脂肪で摂取

脂質は牛脂やラードといった動物性脂肪で摂取しましょう。スーパーで肉を買った時に牛脂は無料でもらえますから積極的に活用したいですね。

動物性の油脂は健康に悪いというイメージがありますが、植物油の方が危険です。植物油はどれも酸化しやすいので、できるだけ控えましょう。キャノーラ油やサラダ油は特に使用を控えるべきです。

ただ、動物性脂肪だけだと、必須脂肪酸のαリノレン酸が不足しやすいです。αリノレン酸はマヨネーズに比較的多く含まれています。マヨネーズ12グラムで約500ミリグラムのαリノレン酸を摂取できます。1日に2,000ミリグラムのαリノレン酸摂取が目標と言われていますから、まずまずの量ですね。

αリノレン酸は、オメガ3脂肪酸に分類されますが、同じオメガ3脂肪酸であるDHAやEPAは魚に多く含まれています。オメガ3脂肪酸を積極的に摂取することが推奨されていますから、肉だけでなく可能なら魚も食べたいですね。

カラフトシシャモなら、10尾が100円ほどで買えますから食費の節約にも貢献してくれます。

6.野菜はビタミンCの補給に

卵料理を毎日しっかりと食べていれば、ビタミンC以外の栄養を補給できます。加えて肉類や魚介類もしっかり食べていれば、栄養不足になることはないでしょう。

ただ、ビタミンCの摂取量が不足しますから、ピーマンやブロッコリーといったビタミンCが多く含まれた野菜は食べておきたいですね。でも、ブロッコリーは1株が100円程度で買える時もあれば、200円を超える時もあります。季節的な価格変動がある野菜ですから、値段が高い時には他の野菜でビタミンCを補給しましょう。

しかし、野菜は全体的に低栄養なのに値段が高いです。ビタミンCを補給するためだけに野菜を買うのは経済的ではありません。なので、サプリメントも利用してビタミンCを補給することも視野に入れましょう。

ビタミンCのサプリメントは、ドラッグストアで20日分が200円ほどで買えます。1粒に500ミリグラム含まれており、1日分が2粒1,000ミリグラムです。ビタミンCの1日の必要量が100ミリグラムとされていますから、1粒で十分です。なので、20日分であれば40日のビタミンCを補給可能です。1粒を2つに割って飲めばさらに節約できます。

また、その他のビタミン不足も不安だというのなら、マルチビタミンのサプリメントを利用しても良いでしょう。ただし、ビタミンAはβカロテンとして含まれているものを選ぶようにしましょう。

米や小麦などの穀物ばかり食べなくても、食費を抑えることは可能です。

肉は高いイメージがありますが、先ほども述べたように輸入食肉は安いですし、切り落としや細切れを選べばもっと食費を節約できますよ。

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