豚肉は国産も輸入品も価格差はあまりないので節約で迷うことはない
牛肉は値が張るので、普段は肉を食べる場合、豚肉が中心になるという方も多いはず。そして、節約のために国産ではなく米国産などの輸入豚肉を選んでいる方もいらっしゃるでしょう。
でも、豚肉の場合、国産豚肉も輸入豚肉もそれほど大きな価格差はありません。それは、輸入豚肉にかかる関税が差額関税制度によって決まっているからです。
差額関税制度は価格差をより小さくする
輸入牛肉の場合、関税は輸入価格に対して何%といった形でかかります。だから、輸入価格の安い牛肉には少しの関税しかかかりませんし、輸入価格の高い牛肉には多くの関税がかかるようになっています。
なので、国産牛肉の価格よりも著しく低い価格で外国産牛肉が輸入されると、小売価格は外国産牛肉の方がかなり安くなります。
ところが、輸入豚肉に適用される差額関税制度は、輸入価格と小売価格が比例しにくい仕組みになっています。
簡単に説明すると、差額関税制度とは基準価格よりも低い価格で輸入されるものに対して、基準価格に達するまで関税が課せられるというものです。基準価格を超える価格で輸入された場合には、一定率の関税がかかります。
2021年2月現在、輸入豚肉には差額関税制度が適用されており、基準価格は546.53円/kgとなっています。
例えば、1kgあたり100円でアメリカから豚肉が輸入された場合、基準価格に達するまで関税がかけられるので、446.53円(546.53円-100円)の関税が輸入価格に上乗せされます。つまり、どんなに安くで海外から豚肉が輸入されたとしても、基準価格まで関税がかかることから、消費者が小売店で購入する時には、輸入価格が安かろうが高かろうが、小売価格に大した差が出ないのです。
選び方を変えても豚肉では大きな節約はできない。
スーパーに行けばわかりますが、ブランドものの豚肉以外の国産豚肉と外国産豚肉との間には、ほとんど価格差がありません。まったく価格差がないわけではありませんが、牛肉のように大きな差は出ませんね。
例えば、国産豚ロースが100gあたり158円で販売されていた場合、アメリカ産豚肉は100gあたり138円程度ではないでしょうか?確かに安くはなっていますが、牛肉なら国産と外国産で30~50%程度の価格差があることを考えると、豚肉の場合は大した差とは言えません。
それどころか、特売の日には国産豚肉の方が輸入豚肉よりも安くで売られていることもあります。
国産よりも外国産の方が安いという先入観は、豚肉には当てはまらない場合があります。なので、節約の観点からは、豚肉の購入に国内産なのか輸入なのかをこだわるメリットはそれほどありません。
国産豚肉の方が安心だけど節約のために輸入豚肉を買っているというのなら、国産豚肉を買っても良いでしょう。豚肉同士の比較では、国産も外国産も大きな差は出ませんからね。
「国産は高い」とか「外国産は安い」といった先入観を持っていると、割高な買い物をしてしまうかもしれません。買い物の前には、スーパーのチラシを比較して、国産豚肉と輸入豚肉のどちらが安くなっているのかを確認しましょう。