私が住んでいる地域も、自転車保険の加入が義務化されました。
義務化されてからしばらく経つのですが、いろいろ面倒そうだなと思って自転車保険の加入をしていませんでした。でも、このままずっと自転車保険に入らないわけにはいかないので、先日、近所の自転車屋さんで自転車保険に加入してきました。
自転車の点検を受けてTSシールを貼付
自転車屋さんで自転車保険に加入する場合、自転車の点検整備を受けなければなりません。
故障個所がなければ、すぐに点検は終了し、自転車保険加入を示すTSシールを自転車に貼ってもらえます。私の自転車は、サドルの下の部分にTSシールを貼ってもらいました。
故障個所がある場合は、修理をしてからTSシールを貼ってもらいます。
TSシールには、青色と赤色があります。値段は、青色が1,500円、赤色が2,000円となっていることが多いのですが、近所の自転車屋さんは1,500円で赤色のTSシールを貼ってくれました。
なお、自転車の修理が必要な場合は、別途修理代が必要です。
自転車保険の保障内容
TSシールは、公益財団法人「日本交通管理技術協会」が実施する技能検定に合格した自転車安全整備士がいる自転車屋さんで貼ってもらえます。
TSシールには青色と赤色がありますが、両者で保障内容が異なっています。
青色 | 保障内容 | 赤色 |
---|---|---|
1千万円 | 賠償責任補償 | 1億円 |
入院15日以上 一律1万円 死亡、重度後遺障害(1~4級) 一律30万円 |
傷害補償 | 入院15日以上 一律10万円 死亡、重度後遺障害(1~4級) 一律 100万円 |
なし | 被害者見舞金 | 入院15日以上 一律10万円 |
1年 | 有効期限 | 1年 |
賠償責任補償は、自分が運転している自転車で歩行者にケガをさせた場合に支払われます。賠償責任は数千万円に上ることもありますから、青色の1千万円では不足する危険があります。そのため、TSシールは赤色を貼ってもらい1億円までの保障を付けるべきです。なお、賠償責任補償は対人だけで、対物は補償対象外です。
傷害補償は、自転車乗車中に事故に遭った場合に自分がもらうことができます。
被害者見舞金は、事故に遭った相手に支払われます。
有効期限は、青色も赤色も1年間です。期限を過ぎたら、自転車屋さんに行って点検整備を受け、再度TSシールを貼ってもらう必要があります。
自転車が保険に加入している
TSシールを自転車に貼ってもらった場合、保険に加入するのはTSシールが貼ってある自転車です。
したがって、TSシールを貼る時に書類に名前を記入した人だけでなく、その自転車に乗って事故を起こした人全員が保険の対象になります。子供が事故を起こした場合、知人に貸して事故を起こした場合など、TSシールが貼ってある自転車が事故を起こした場合は、事故に遭った人に賠償金が支払われます。
この制度は、被害者が保護されやすくなるのですばらしいですね。
他の自転車保険の場合だと、保険に加入した人が起こした自転車事故だけが補償の対象です。家族特約を付けた場合には、家族が起こした事故も補償の対象になりますが、その分保険料は高くなります。
ある保険会社の自転車保険だと、家族特約を付けた場合、年間約6千円の保険料を支払わなければなりません。赤色のTSシールだと3枚分の料金です。なので、自転車の保有台数が2台までならTSシールを貼る方が保険料が安いです。3台だとどちらでも同じ。4台以上だと保険会社の自転車保険が有利ですね。
自転車保険に加入する前に火災保険や自動車保険をチェックする
自分が住んでいる都道府県で、自転車保険の加入が義務付けられた場合、すぐに自転車保険に加入しなければならないと思って慌てて契約してしまう人がいると思います。
でも、自転車保険に加入しなくても問題ない場合があります。後からその事実を知って無駄な保険に加入したと後悔しないためにも、自分が自転車保険に加入しなければならないかどうかを確認しておく必要があります。
多くの家庭では火災保険に入っていると思います。また、マイカーを持っている方は自動車保険に加入しているはずです。
火災保険や自動車保険などの損害保険には、個人賠償特約が付いていることがあります。個人賠償特約は、他人を怪我させたり他人の物を壊したりした場合に保険金が支払われる特約です。
個人賠償特約を付けていると、自転車事故で相手にケガを負わせたり物を壊したりした場合に補償されます。契約者個人が事故を起こした場合にしか補償されない場合もありますが、家族特約を付けていたら家族の事故による損害も補償されます。
なので、自転車保険の加入を考えている方は、まず始めに火災保険や自動車保険に個人賠償特約が付いているかどうかを確認しておきましょう。
クレジットカードのオプション
個人賠償特約は、クレジットカードのオプションとして付けられる場合があります。
年間2千円ほどで個人賠償特約を付けることができますから、カード会社のホームページで個人賠償特約を付けることができるかどうかをチェックしておきましょう。もっと安い保険料で個人賠償特約を付けられるなら、TSシールを貼るよりも安上がりです。
ただ、クレジットカードや損害保険の個人賠償特約だと、自分が自転車乗車中に事故に遭った場合には、通常、保険金を受け取れません。自分がケガした場合も保険金をもらいたい場合は、TSシールを貼るか、自分がケガした場合も保険金を受け取れる自転車保険の加入を検討してください。
人が全く歩いていないと思っても、自分の視界に入っていないだけで歩行者がいる場合があります。
その歩行者に気づかず自転車でぶつかり大ケガをさせてしまう危険性は、自転車に乗っている限り誰にでもつきまといます。
高額な賠償金を支払わなければならなくなると、最悪の場合、生活が破綻することもあります。何より、ケガをさせた相手に何らの償いもできないのでは、相手も経済的に追い込まれてしまうことだってあり得ます。
自転車事故を起こさないように誰もが運転しているものです。しかし、それでも自転車事故は起こるもの。自転車事故は滅多に起こらないけども、起こった場合に大きな損害を相手に与える可能性がありますから、自転車保険は保険の目的にかなった保険だと言えます。
年間2千円の保険で、自転車事故による損害をカバーできるのですから、自転車保険加入が義務化されていなくても入っておくべきですね。
なお、TSシールの詳細は、公益財団法人「日本交通管理技術協会」のホームページをご覧になってください。
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