日銀がマイナス金利政策を行った影響が、大手保険会社の保険料に現れてきています。
貯蓄性の高い一時払いの保険については、すでに保険料を値上げしているのですが、2017年に入ってさらに一般的な保険についても大手保険会社が値上げする可能性を示唆していることが年始のニュースで報じられました。
生命保険会社が契約者に約束する予定利率は国が定めた標準利率を基準に決めています。この記事を書いている2017年1月時点では標準利率は1%です。しかし、2017年4月以降は0.25%に引き下げられるので、これに合わせて大手生保各社は、保険料の値上げか予定利率の引き下げを検討しているようです。
生命保険は必要な保障に絞る
生命保険は、将来の不安に備えて買うものです。では、その不安はどういったものでしょうか?
人によって不安は様々ですが、生命保険を検討している多くの人は、自分が死んだ場合に家族の生活がどうなるかが不安だと思っているはずです。それなら、自分が万が一の事故や事件に巻き込まれて死亡する事態になっても、家族が生活していけるだけの保険金を受け取れれば、それで問題は解決します。
国の標準利率の引き下げで、生命保険料の値上げや予定利率の引き下げという事態が発生しても、不要な保障を削ってしまえば保険料を安くすることは可能です。
現在の生命保険は、医療保険もセットになってたくさんの保障が付いています。充実しているとも言えますが、保障内容が増えれば増えるほど保険料は上がってしまうので、家計の節約を考えるのであれば思い切って特約を削るべきです。
多くの家庭では夫になると思いますが、家族の働き手が死亡しても、子供が成人するまでの生活費を工面できれば生命保険の目的は達成できます。だから、死亡補償だけ充実させれば、後の保障はなくても問題ありません。ただ、事故などによって死亡しなくても、体に障害が出る場合がありますから後遺障害についても補償を付けとく方が良いでしょう。
クレジットカードの旅行傷害保険
働き手の万が一の死亡や後遺障害に備えるという点では、クレジットカードの旅行傷害保険も役立ちます。旅行傷害保険は、クレジットカードによっては付帯していないこともありますが、年会費無料のクレジットカードだと楽天カードやリクルートカードに付帯しています。
楽天カードもリクルートカードも、ツアー代金などの旅行費用を事前にカードで支払っておかないと旅行傷害保険は適用されません。でも、ただカードで旅行代金を支払えば旅行傷害保険が適用されるのですから、出張の多い仕事をされている方や旅行に出かける機会が多い方は、クレジットカードで旅費を支払っておいた方が良いでしょう。
楽天カードとリクルートカードの海外旅行傷害保険と国内旅行傷害保険の死亡・後遺障害時の最高補償額は以下の通りです。
- 楽天カード:海外=2,000万円、国内旅行傷害保険はなし
- リクルートカード:海外=2,000万円、国内=1,000万円
国内旅行でも保険が適用されることを考えるとリクルートカードの方が安心ですね。他に治療費用などの補償もありますので、詳細は公式ホームページで確認してください。
また、クレジットカードによっては、ただ持っているだけで旅行傷害保険が適用されるものもあります。ゴールドカードだと、多くの場合は自動的に旅行傷害保険が付帯されることが多いですが、一般カードだと自動付帯のクレジットカードはそれほど多くありません。
あと、死亡・後遺障害時の補償額は、クレジットカードを何枚持っていても合算されず、保有しているクレジットカードで最も高い補償額が適用される点に注意してください。例えば、補償最高額が1,000万円、2,000万円、3,000万円の3枚のクレジットカードを持っていた場合は、3枚を合計した6,000万円の補償にはなりません。この場合は、3,000万円の補償が受けれるだけです。だから、自動付帯のクレジットカードをたくさん持っていても、死亡・後遺障害の補償額を上乗せはできません。でも、治療費用や救援者費用などは補償額を合算できますから、旅行傷害保険が自動付帯のクレジットカードを複数枚持っていても無駄にはなりません。
とりあえず、生命保険に加入するかどうかを検討されている方は、今持っているクレジットカードが旅行傷害保険付帯かどうかを確認しておきましょう。もしも、旅行傷害保険が付帯されていない場合は、年会費無料で旅行傷害保険付帯のクレジットカードを作っておくことをおすすめします。
その後で、生命保険の加入を検討しましょう。自分では決められないという方は、ファイナンシャルプランナーの保険のアドバイスを聞くのも良いでしょう。
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