借金をすると、返済時には利息を上乗せしなければなりません。友人や知人同士でのお金の貸し借りだと利息を取らないのが普通でしょうが、金融機関などから借金をした場合には必ず利息が発生します。
世界的に利息を取ってはいけないというルールができない限り、借金には利息がつきます。これは、貨幣経済の特徴の一つと言えるでしょう。
現金の受け払いを起点に利息が発生する
ところで、利息はなぜ発生するのでしょうか?
一言で言うと、貨幣の時間的価値となります。貨幣は時間の経過に応じて利息を生み出していきます。たとえわずかな金額でも、雪山の頂上から雪ダルマを転がすと、どんどんと雪がくっついて大きくなっていくのと同じようにお金も時間が経過すればするほど元本に利子がついてきて、大金になります。
利息は、現金やモノの受け払いが起点になって発生します。
例えば、商品を買ったけども代金の支払いを1ヶ月後にする場合には、1ヶ月分の利子を上乗せして支払わなければなりません。反対に商品を受け取る前にお金を先払いした場合には、現金支払い後商品受け取りまでの期間の利息をもらえます。
本来なら、現金と商品の受け渡しは同時に行われるのですが、どちらかが後になった場合に利息が発生するのです。上の例の前者の場合は、現金の支払いが後になっているので買い手が売り手に利息を支払います。後者の場合は、現金の受け取りが先になっているので買い手が売り手から利息を受け取ります。
企業間の取引では、代金の決済が前後すると利息が発生するのは当たり前となっています。
個人の買い物でも利息をしっかりと意識すること
個人の買い物でも、利息をしっかりと意識することで、家計の節約ができます。
クレジットカードを使って買い物をした場合、手数料が発生します、この手数料は、言わば利息と同じです。買い物でカード払いを選択すると代金の決済は1ヶ月後やそれ以後となります。したがって、商品の受取が先になり現金の支払いが後になるので、買い手が利息を負担しなければなりません。
預金口座からクレジットカードでの買い物額が引き落とされても、利息までは取られません。でも、これは見た目に利息が付いているとわからないだけです。年会費が必要なクレジットカードの場合、それが一種の利息となります。年会費無料の場合でも、お店がクレジットカード払いを想定して、利息相当額を商品代金に上乗せして販売しますから、やはり、カード払いをすると利息が発生します。
現金決済もカード払いも、商品の販売価格は基本的に同じです。でも、その販売価格には利息相当額が上乗せされているわけですから、クレジットカード払いができるお店での現金払いは、負担しなくても良い利息を負担していることになります。
もちろん、お店側でクレジットカードの手数料は販売費の一環だから、カード払いかどうか関係なく価格を設定していることもあります。
でも、商品価格は、お店で発生する費用を回収できるように決定されますから、販売費の一環とは言っても、その中にクレジットカード会社に支払う手数料部分が含まれているのなら、事実上、利息相当額が商品価格に転嫁されていることになります。
電子マネーのチャージには見返りを求めるべき
クレジットカードとは反対に電子マネーの場合は、買い物の前に現金の支払いが発生します。電子マネーにチャージすることが、先払いになるわけです。
だから、電子マネーにチャージしても、買い物をしなければ、時間の経過に伴って利息を受け取れるべきなのですが、多くの電子マネーでは、そうなっていません。したがって、利息を考慮すると現金は普通預金に預けておいて、必要な時に引き出して使った方が電子マネーにチャージするよりも得です。
普通預金に預けておけば、少ないながらも利息をもらえるのですから、電子マネーにチャージした時には見返りを求めるべきです。例えば、電子マネーに1万円をチャージした時に500円分のポイントがもらえるとか、電子マネーで買い物をした時には、現金払いの時よりも多くのポイントがもらえるとか、そういった特典がなければ電子マネーを使う利点はありません。最近では、スーパーが独自に電子マネーを発行しており、現金をチャージするとおまけがもらえるようになっていますね。
とにかく、お金には時間の経過とともに利息が発生することを理解しておきましょう。
先払いであれば利息をもらえます。後払いであれば利息を支払わなければなりません。先払いなのに利息がもらえないのなら損をしますが、後払いなのに利息を払わなくて良いのなら得をします。
普段から利息を意識するだけでも、家計の節約になりますよ。
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