生命保険は死亡保障だけにして毎月の保険料を節約する

万が一に備えて生命保険に加入することは、安心して日々の暮らしを送るために有益なことと言えます。生命保険に加入していれば、もしも一家の働き手が不測の事態で亡くなったとしても、残された家族の生活が、その瞬間に破たんすることはそうそう起こらないでしょう。

しかし、家計の節約という面からは、生命保険の毎月の保険料こそ安くしたい項目です。生命保険の保険料は高額な負担となりやすいですから、安心を買う以上に手厚い保障をつけているのなら、今すぐに契約を見直すべきです。

保障と貯蓄を分ける

多くの生命保険の商品は、保障と貯蓄が一緒になっています。

保障はその名の通り加入者に万が一の事態が発生した時に保険金を受け取れる契約です。死亡保障なら、加入者が死亡すると普通はその家族が保険金を受け取ります。

これに加えて、多くの生命保険のパッケージ商品には、貯蓄部分も加えて販売されています。貯蓄部分は、満期になった時に受け取れる満期保険金や解約した時に戻ってくる返戻金(へんれいきん)が該当します。

生命保険は、働き手が、万が一の事態に遭遇して亡くなった時に備えることを目的に加入するのですから、保障部分にだけ加入すれば問題ありません。貯蓄部分も一緒に加入すれば、それだけ毎月の保険料の支払が増えます。わざわざ生保に貯蓄しなくても、銀行の預金口座に預けておけば、必要な時に引き出せますから、急な支出にも対応できます。

生存給付金(祝い金)の特約は無駄

特に契約内容に生存給付金(祝い金)といった項目がある場合は注意しましょう。これは、毎月払い込んだ保険料を、例えば10年満期であれば10年後に加入者に返すだけのものです。私が生命保険に加入した時に失敗したと思ったのが、この生存給付金です。

10年契約で年間10,300円ほどの保険料を支払い、10年後に100,000円の生存給付金が返ってきます。これっておかしくないですか?毎年10,300円を10年間普通預金に入れ続けておくと、103,000円に利息が付いて戻ってきます。それなのに生保の生存給付金だと3,000円を差引かれた100,000円しか戻ってこないのです。どう考えても加入者が損をする契約になっていますよね。

こういった加入者に不利な契約は、生命保険にはよくあることなので注意しましょう。

生命保険は定期保険で十分

何度も述べますが、生命保険に加入するのは、働き手の不測の事態に備えるためです。

急に働き手が亡くなって、目の前が暗くなり青空を見上げることもできないほど、生活に困るようなことが起こらないように経済面のリスクを回避することが生命保険の目的です。

青空

生活が経済的に破たんしないようにすることが生命保険の目的であれば、保障が一生涯続く終身保険に加入する必要はなく、定期保険に加入すれば問題ありません。定期保険の方が終身保険よりも毎月の保険料が安くなりますから、家計の節約にもなります。

例えば、現在12歳になるお子さんがいたとします。お父さんが家族の働き手だとしたら、お父さんに万が一のことがあった場合に保険金を受け取れるように生命保険に加入しますよね。

お子さんは大学を卒業する22歳になれば働きだしますから、普通に考えればそれ以上の期間の生命保険に加入する必要はありません。お子さんが12歳から22歳の間の生活費や学費を賄えればいいからです。

それなら、保障が一生涯続く終身保険ではなく、10年の定期保険に加入すれば目的を達成できます。年間300万円は必要だというのなら、3,000万円の死亡保障に加入すれば他の特約は何も必要ないですね。

収入保障保険ならもっと保険料を節約できる

10年間の定期保険であれば、加入して3年後に死亡した場合も9年後に死亡した場合も一定額の保険金を受け取れます。上の例でいえば、加入者が亡くなれば時期に関係なく3,000万円を受け取れます。

でも、加入して9年後に3,000万円も必要でしょうか?上の例では、お子さんは21歳になっています。すなわち、大学を卒業する22歳までの1年間の生活費と学費を確保できれば問題ないですよね。そう考えると、9年後に亡くなった時は、3,000万円も保険金は必要ありません。300万円で十分なのです。

それなら、経過年数に応じて保障額が減っていく収入保障保険を選択した方が毎月の保険料は安くなります。上の例で単純に説明すると、収入保障保険でもらえる保険金は以下のようになります。

  • 1年目:3,000万円
  • 2年目:2,700万円
  • 3年目:2,400万円
  • 4年目:2,100万円
  • 5年目:1,800万円
  • 6年目:1,500万円
  • 7年目:1,200万円
  • 8年目: 900万円
  • 9年目: 600万円
  • 10年目: 300万円

毎年、給付額が減っていくのに不安を感じるかもしれませんが気にする必要はありません。

1年目は3,000万円もらえるのに2年目は2,700万円に減るのは損だと思うでしょうが、お父さんが1年間無事であったことで300万円の生活費と学費を稼いできてくれるのですから、事実上、2年目も3,000万円の収入を得たのと同じです。

10年目には300万円の保障しか残っていませんが、過去9年間にお父さんが2,700万円を稼いできてくれているのですから、9年目も事実上3,000万円の収入を確保したことになるのです。

 

生命保険に加入する場合は、いつまでの期間の保障が必要か、そして、年間いくらの収入を確保しなければならないかを真っ先に考えましょう。そして、その条件を満たした保険に加入できたら、それ以外の保障は一切付ける必要はありません。

特に貯蓄部分は、よほど利率が良くないかぎり、加入しなくても問題ありません。

定期保険と収入保障保険を組み合わせる

定期保険よりも収入保障保険の方が、毎月の保険料が安くなります。

しかし、子供の大学進学のために必ず1,000万円は保険金を受け取りたいといった希望がある場合には、定期保険と収入保障保険を組み合わせるのもありです。例えば、定期保険で1,000万円の保障を確保し、収入保障保険は10年間に渡って毎年200万円を受け取れるようにするといった具合です。

定期保険と収入保障保険を組み合わせるかどうかは、家庭の事情によって変わってきますし、個人の価値観によってもどちらが良いか意見が分かれるところです。迷った時は、保険料が少ない方を選ぶのも一つの方法です。

生命保険は複数の保険を比較すること

これから生命保険に加入する方も、生命保険の見直しを検討している方も、1社だけで商品を検討するべきではありません。

現在では、インターネットで複数の保険会社に資料請求できます。自分のライフスタイルに合った生命保険に加入するためには、保険の資料を一括請求できるウェブサイトを利用するのがおすすめです。できるだけ多くの会社の保険を比較することで、無駄な特約を削れますし、毎月の保険料の負担を減らすこともできます。

生命保険に加入する前にまずは、複数の生命保険会社のパンフレットを比較することが大切です。保険料や保証の内容が各社で異なっていることがありますからね。

パンフレットを見てもよくわからない場合は、ファイナンシャルプランナーの無料相談を受けて、どの生命保険に加入すべきかを決めると良いでしょう。

固定費を節約目次

  1. 固定費の削減は家計の大きな節約になる
  2. 電気料金のプランを見直して節約
  3. 電気代の節約には各電化製品の消費電力を把握すること
  4. 水道代の節約は日頃の取り組みが大事
  5. ガス代の節約はシャワーと給湯器から試す
  6. 携帯電話代やインターネット接続料などの通信費の節約の基本は解約
  7. スマホの料金プランを比較してスマホ代が安い通信会社に乗り換える
  8. 生命保険は死亡保障だけにして毎月の保険料を節約する
  9. 医療保険の特約を見直して節約する
  10. 自動車保険は対人・対物賠償責任保険を削って保険料を節約しない
  11. マイカーは固定費を増やすだけ。中古車買取ですぐに節約開始。
  12. カーシェアリングの料金比較。カーシェア利用は交通費の節約に優れている。
  13. リボルビング払いは節約の敵!クレジットカードは1回払いを選ぶべき。
  14. 住宅ローンの借り換えは長期的な支出を節約できるので検討すべき
タイトルとURLをコピーしました