電気代の節約には各電化製品の消費電力を把握すること

電気代を節約するためにどのような工夫をしているかを尋ねると、「こまめに電気を消す」や「待機電力がもったいないので使わない時はプラグをコンセントから抜く」といった答えがよく返ってきます。

確かにこういった工夫は電気代の節約になります。しかし、それがどの程度、電気代の節約に効果があるのか金額で実感している方は少ないのではないでしょうか?多くの方は、自宅にある電化製品の消費電力を知りません。だから、こまめに電気を消すというその行為で、いくらの電気代が節約できたかを計算することができないのです。

電気料金の計算の仕組みを知ろう

毎月の電気料金の計算式は、簡単に言うと以下のようになります。

  • 最低料金+電力量料金+燃料費調整額=毎月の電気料金

上の式の燃料費調整額は微々たるものなので無視しても構いません。最低料金も電力会社と契約していれば毎月固定で発生するので、計算から除外しても問題ないですね。重要なのは、電化製品の使用に応じて発生する電力量料金です。

2023年4月現在の関西電力の従量電灯Aの場合の最低料金は15kWhまでが433.41円で、15kWhを超える電力量料金は以下のとおりです。

  1. 15kWh超過120kWhまで(第1段):20.31円
  2. 120kWh超過300kWhまで(第2段):25.71円
  3. 300kWh超過分(第3段):28.70円

例えば、1ヶ月で350kWの電気を使用した場合、電気料金は以下のようになります。

  • 433.41円+(120kWh-15kWh)×20.31+(300kWh-120kWh)×25.71+(350kWh-300kWh)×28.70=8,628.36円

円未満を切り捨てるので、8,628円となります。なお、この他にも燃料費調整額が加減算されるので、若干金額は変わってきます。

各電化製品の消費電力を知っておく

毎月の電気料金がいくらになるかを計算するためには、上記の計算式の他にも、使用している電化製品の消費電力を知っておかなければなりません。

電化製品の説明書を見れば、1時間使用した場合の消費電力がW(ワット)で記載されています。1kW(キロワット)は1,000Wのことで、1kWh(キロワットアワー)は1時間の消費電力量を表します。したがって、消費電力量の計算は以下のようになります。

  • 消費電力(kW)×時間(h)=消費電力量(kWh)

例えば、800Wの電気ストーブを3時間使った場合の消費電力量(kWh)は2.4kWhになります。

  • 800W×3h=2,400W→2,400Wh/1,000=2.4kWh

従量電灯Aの第2段の単価を用いた場合、電気ストーブ3時間使用での電気料金は、61.704円と計算できます。

  • 2.4kWh×25.71円=61.704円

普段使っている電化製品の消費電力を知ってなければ、このような計算はできません。だから、普段からよく利用している電化製品の消費電力を一度確認しておくことをおすすめします。そして、ノートに各電化製品の消費電力と1時間当たりの電気料金の表を作成しておけば、どの電化製品を何時間使うと、いくらの電気代がかかるのかを簡単に把握することができて便利ですよ。

消費電力の大きなものから優先的に節電する

ここまで読まれた方は、もうわかったと思いますが、節電にとって重要なことは消費電力の大きな電化製品の使用時間を減らすことです。

電気代の節約のために2本組の蛍光灯のうち、1本を常に消している方もいらっしゃると思います。30型の蛍光灯の消費電力が28Wなので、電力量料金を25.71円で計算すると、1時間の消灯で0.71988円の節約になります。

これに対して800Wの電気ストーブを1時間使うのを我慢すれば20.568円の節約になります。同じ1時間の節電でも、電気ストーブは蛍光灯の30倍近くも電気代の節約になるのですから、優先的に節電すべきなのは電気ストーブということがわかりますよね。

別に1時間、電気ストーブを消しておかなくても、トイレに行くときにちょっと消すだけでも蛍光灯と比較すれば大きな節電になります。また、電気ストーブは暖かさを2段階や3段階に切り替えることができるので、体が温まってきたら800Wから400Wに下げるようにすれば、それだけでも電気代の節約になります。

 

最近では、蛍光灯や白熱電球をLEDに交換すれば、電気代を節約できると言われています。

電球

確かに白熱電球よりもLEDの方が消費電力が少ないので節約にはなりますが、もともと消費電力が低い蛍光灯や白熱電球を今すぐLEDに交換したところで、大した節電にはなりません。それなら、蛍光灯も白熱電球も壊れるまで使い続けた方が家計の節約になるはずです。ただ、LEDも最近は安くなっていますから、500円程度で購入できるのなら、白熱電球からLEDに交換すると良いでしょう。

一方で、使用時間が少ないけども、電気代がかかりやすい電化製品もあります。例えば、ドライヤーですね。ドライヤーは、エアコンや電気ストーブと同じくらいの電力を消費しますから、使用時間を毎日1分でも2分でも減らしたいですね。吸水力が高いタオルで髪を拭けば、水気を多く取り除けますから、今使っているタオルを高吸水力のタオルに交換することも検討してください。

電気代を節約するのなら、まずは、各電化製品の消費電力がどれくらいなのかを確認することが大事です。

メーターを毎日確かめる

電気料金を節約するために毎日電力メーターを見る癖をつけましょう。毎日同じ時間に電力メーターを確認し、どれだけメーターが動いたかを記録し続けることで、1日の大まかな消費電力量を把握できます。

電力メーターを見る際に注意しなければならないのが、消費電力量が累計で表示されているということです。例えば、前日のメーターの数値が500で、今日のメーターの数値が509だった場合、昨日から今日までの消費電力量は9kWhとなります。

できることなら1日に2回から3回は電力メーターをチェックし、時間帯別にどの電化製品をよく使用しているかを確認するのが良いのですが、仕事の都合で1日に何回もメーターの確認ができない方もいらっしゃるでしょう。でも、そういう方でも1日に1回はメーターの確認をできるはずです。面倒かもしれませんが、1ヶ月から2ヶ月程度は、電力メーターを毎日確認しましょう。

そうすれば、どの電化製品をどの時間帯に使わなければ、無理せずに節電できるかがわかってきますよ。

固定費を節約目次

  1. 固定費の削減は家計の大きな節約になる
  2. 電気料金のプランを見直して節約
  3. 電気代の節約には各電化製品の消費電力を把握すること
  4. 水道代の節約は日頃の取り組みが大事
  5. ガス代の節約はシャワーと給湯器から試す
  6. 携帯電話代やインターネット接続料などの通信費の節約の基本は解約
  7. スマホの料金プランを比較してスマホ代が安い通信会社に乗り換える
  8. 生命保険は死亡保障だけにして毎月の保険料を節約する
  9. 医療保険の特約を見直して節約する
  10. 自動車保険は対人・対物賠償責任保険を削って保険料を節約しない
  11. マイカーは固定費を増やすだけ。中古車買取ですぐに節約開始。
  12. カーシェアリングの料金比較。カーシェア利用は交通費の節約に優れている。
  13. リボルビング払いは節約の敵!クレジットカードは1回払いを選ぶべき。
  14. 住宅ローンの借り換えは長期的な支出を節約できるので検討すべき
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