クレジットカードの手数料が今後高くなっていく可能性がある?

クレジットカードを使って買い物をした場合、1回払いや2回払いで決済すれば、買い物代金以上に支出は発生しません。

ただ、リボルビング払いにすると金利相当の手数料が発生します。だから、節約を考えるとリボ払いではなく1回払いや2回払いにすべきです。

でも、1回払いや2回払いであっても、このまま買い物代金の他に手数料が発生しないということが、ずっと続くかどうかはわかりません。

消費者金融の減少

なぜ、このようなことを述べるのかというと、クレジットカードの取引形態の内訳に変化が出てきているからです。

クレジットカードの取引形態は、買い物などの販売信用とキャッシングなどの消費者金融に大きく区分できます。以前は、消費者金融の取引額が多かったのですが、ここ数年、法律が改正されて規制が厳しくなり、高金利での貸し出しができなくなっています。

一般社団法人日本クレジット協会の信用供与額総括時系列表(推計)によると2003年の販売信用と消費者金融の取扱高は以下のようになっています。

  • 販売信用:34兆7,361億円(51.3%)
  • 消費者金融:33兆217億円(48.7%)
  • 合計:67兆7,578億円

取扱高の内訳は、販売信用と消費者金融がほぼ同じくらいでした。ところが、2012年になると、消費者金融の割合が極端に少なくなっています。

  • 販売信用:47兆2,177億円(79.3%)
  • 消費者金融:12兆3,596億円(20.7%)
  • 合計:59兆5,773億円

消費者金融の割合が減り、販売信用の取扱高が増えているのは、社会的には健全なことと言えます。

羽根

でも、消費者金融の割合が減っているということは、カード会社の収益性が悪くなっていると考えられます。

以前は、年利40%といった高金利での貸付けが可能でしたが、現在では貸付額に応じて15~20%の金利の範囲内でしか貸し出しができなくなっています。キャッシングの取扱高が減少していることに加えて金利も低くなっているのですから、カード会社の収益性が悪化していることは容易に想像できます。

加えて、キャッシングは年収の3分の1までという総量規制も導入されましたから、以前のように1人に多くのお金を貸し出すことが難しくなっています。金利の規制よりも、総量規制の方がカード会社には痛手でしょうね。

キャッシングの収益性悪化をどこで穴埋めするのか?

キャッシングの収益性が悪化しているのなら、それをどこかで穴埋めしなければなりません。

言うまでもなく、販売信用の手数料収入に力を入れる必要があるでしょう。ポイント還元率を良くして、カード利用を促進すれば、取扱高が増えます。また、審査のハードルを下げて、クレジットカードを所持しやすくすることでも、販売信用の取扱高を増やすことができるでしょう。

このようにカード利用を促進することで、取扱高を増やし収益性を高めることは良いことだと思います。しかし、取扱高を増やす努力よりも、カード利用で得られる手数料の料率を高くした方がカード会社にとっては、手間をかけずに収益性を改善できます。

取扱高の合計が2003年は67兆円だったのに対して、2012年は59兆円まで減少しています。これは、消費者金融の利用額の減少分を販売信用を増やすことで穴埋めできていないことを意味します。販売信用の手数料収入よりも、キャッシングの利率の方が高いですから、カード会社の利益も少なくなっているはずです。

大手カード会社の過去4年の業績に簡単に目を通したのですが、やはり、取扱高はかなり増えているのですが、収益はそれほど増えていません。経常利益に関しては、横ばいではありますが、微減といった感じです。

 

今後もキャッシングの利用が減っていけば、販売信用の手数料を引き上げるかもしれません。そうなると、手数料が商品価格に転嫁されるでしょうから、クレジットカード払いは、割高な買い物になる可能性があります。手数料の引き上げがなかったとしても、ポイント還元率の引き下げが行われてクレジットカード払いのうまみが減ることも考えられます。

少しでも節約しようと思うなら、クレジットカードを使えないお店で買い物をした方が良さそうですね。最近では、スーパーが独自に発行している電子マネーが普及しており、現金をチャージした時におまけがもらえるようになっています。節約のためには、このような電子マネーを使った方が良いでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました