地価が上がり続けることは当たり前ではない


高度経済成長期を経験してきた世代は、不動産価格は将来的に必ず上がるものといった思い込みがあります。バブル経済の崩壊で、そのような考え方が単なる妄想にすぎなかったということが分かったにも関わらず、いまだに土地の価格は上がるものという固定観念が抜けない人はたくさんいます。

バブル崩壊が例外的事象だと思っているからです。しかし、バブルにかかわらず不動産価格が常に右肩上がりで上昇していくことはありえないことなのです。

都会への集団就職が地価を上昇させた

高度経済成長期の土地価格の上昇の要因の一つに都会への集団就職といった事情がありました。

経済が拡大するにしたがって大都市部では人手不足になっていったので、地方から労働力を集めるために人を都会に吸い寄せていったのです。当然、都会に多くの人が集まると住むところが必要になるので、次々に住宅が建設されていきます。そして、それに従って地価も上昇していったのです。

東京

そのような体験をした両親または祖父母は、不動産価格は必ず上昇するという強い思い込みを持っています。

だから、マイホームを持つことは財産を築くことになり、将来、買った時よりも高い値で売れるのだから、それは利率の良い定期預金と同じような感覚になっているのです。

しかし、現在は都会への集団就職がありませんし、これから発展していくだろう都市への集団就職も、そうそう起こることはないでしょう。したがって、高度経済成長期のように地価が上昇するといったことも起こるかどうかわからないのです。

人口減少社会では地価は下落すると考えるのが普通

また、高度経済成長期は人口が増加し続けていたという特殊事情もありました。人が増えれば、住む場所が減っていくのですから地価が上昇します。

しかし、現在は人口減少社会なのですから、今度は土地余りの時代がやって来ることは誰にでもわかります。需要と供給の関係からすると、今、人が住んでいる土地だって、やがては人が住まなくなる可能性があるので、地価は下がることはあっても上がることはないと考えられます。

もちろん、将来の発展が見込まれる都市では地価が上昇していくでしょうが、高度成長期のように国内の多くの不動産価格が上昇していくといったことは、当分の間、起こらないでしょう。

 

このように考えれば、将来、価値が下がっていくことが確実なものを多額の借金をしてまで買うのは得策ではないとわかるはずです。今、借金をしてマイホームを買うのは慎重であるべきです。慎重に慎重に検討し、経済状況が悪化したとしても、生活が破たんしないという見通しがある場合にマイホームの購入を考えた方が良いでしょう。