変動金利型の住宅ローンには未払利息発生のリスクがある

変動金利で住宅ローンを組むと、将来、金利が上昇して毎月の返済額が増加するリスクがあります。

住宅ローンの返済額は5年ごとに見直されますが、その時に変動金利が上がっていても、今までの返済額の1.25倍までしか毎月の負担が増えません。これは、あたかも返済額が25%以上増えるような場合、返済額超過分の利息を安くしてもらっているように思ってしまいますが、そういうことではありません。

実は、変動金利の上昇に見合う利息はしっかりと支払わされているのです。

金利上昇で元本減少額が少なくなる

仮に毎月の住宅ローンの返済額が元利均等払いで10万円だったとします。

5年経過時点で変動金利が当初よりも上昇していたため、計算上の返済額が1.25倍を超えました。そのため、元本と利息を合わせた12万5千円が新たな返済額になります。

例えば、金利見直し時の利率が2.0%で、未返済残高が3,000万円だったとしましょう。この場合、返済額に占める金利は以下の計算式から5万円となります。

  • 30,000,000円×2.0%/12ヶ月=50,000円

したがって、返済額12万5千円から利息5万円を差し引いた7万5千円だけ、ローン残高が減少します。

ところが、変動金利が予想よりも上昇し4%になっていたとしましょう。この場合、上の例の2倍の利率ですから、返済額に占める金利は10万円となります。返済額12万5千円のうちの10万円が利息なのですから、元本はたったの2万5千円しか減少しません。

これでは、なかなか元本が減りません。当然、元本の減少スピードが遅いと支払わなければならない利息は増えますので、住宅ローンを完済した時には、当初の計画よりもはるかに多くの支出になっていることでしょう。

元本が減らないどころか利息の未払いも発生する

それでも、毎月、住宅ローンを返済し元本が減少しているうちは、ましな方です。

最悪の場合、未払利息が発生し、元本が減らないことだってあります。先の例で、金利が4.0%ではなく6.0%まで上昇していたとしましょう。この場合、利息の負担額は以下の計算式から15万円になります。

  • 3,000万円×6.0%/12ヶ月=150,000円

毎月の返済額が12万5千円なのに利息の負担が15万円なので、ローン残高は一切減りません。それどころか、返済額12万5千円では、利息の15万円も払うことができていないため、差額2万5千円が元本に上乗せされます。したがって、翌月はさらに利息の負担額が増加し、利息すら払えない状況が続きます。当然、こんなことがいつまでも続けば、借金は増える一方です。

そこで、毎月の返済額を増やして未払利息が発生しないようにするでしょうが、そうすると返済額が大幅に増えるので、家計は火の車です。

炎

さすがに近年のような低金利時代にこれだけ大幅に金利が上昇することはないでしょう。

しかし、長期の住宅ローンを組んだ場合、毎年の金利の上昇幅が小さくても、10年、20年経過した時には借り入れた時と比較して、金利負担が大幅に増えているといったことはありえます。そのような危険性を考えると、30年や35年といった長期の住宅ローンを組む場合に変動金利を選ぶのは賢い選択とは言えませんね。

 

変動金利がどれだけ上がれば、利息の未払いが発生するかについては以下の計算式で求めることができます。

  • 毎月の返済額/前回までのローン残高×12ヶ月

上で見てきた例を当てはめると未払利息が発生する利率は5.0%となります。

  • 125,000円/30,000,000円×12ヶ月=0.05→5.0%

今現在、変動金利で住宅ローンの返済をしている方は、一度、上の計算式を使って未払利息が発生する変動金利が何%かを計算してください。もしも、あと少し変動金利が上昇しただけで未払利息が発生するようであれば、ローンの借り換えや繰上返済などの手段を検討する必要があります。

また、これから長期の住宅ローンを組もうと考えている方は、全期間固定型金利を選択するようにしましょう。