昨今、景気を良くするためには消費の拡大が大切だと言われることがあります。
消費者がお金を使えば、世の中に出回る貨幣の量が増えるので、この考え方には一理あります。だからと言って、それを真に受けて消費を増やすのには注意すべきです。そもそも、あなた一人がお金をたくさん使ったところで、すぐに景気が良くなるということはありません。むしろ、無駄遣いをする癖がついてしまうことの方が、生活を破たんさせる危険があります。
生活費を節約することは悪いことではない
景気が悪いのはお金を使わないことが原因だと、テレビなどのメディアで頻繁に採り上げられると、普段から倹約し、少しでも生活費を節約する努力が悪いことのように思えてきます。
でも、そのようなことはありません。
生活費を低く抑えることに慣れておくと、今後、さらに景気が悪くなって給料が減った場合でも、生活が苦しくなるのを防げます。もしも、普段から多くの生活費を使っていたら、ちょっとの収入ダウンでも家計が厳しくなるものです。人は、一度上げてしまった生活レベルをなかなか下げることができないのですから、生活費、特に水道光熱費や電話代などの通信費は日頃から節約するに越したことはありません。
将来の景気が良くなるのか悪くなるのかなんて誰にもわかりません。
経済アナリストでさえ景気の読みを誤るのですから、一般人が今後の景気を予測することは不可能だと思うべきです。そして、将来の景気が良くなるのか悪くなるのか予測できない状況では、リスクを取るべきではなく、慎重な態度でいるべきです。つまり、削れる生活費は削る努力をすべきなのです。
消費するなら生活費ではなく余暇で
景気が良くなっても悪くなっても、儲かっている会社は儲かっています。そういう会社で勤めている方は、不景気の今でも給料が順調に増えていってることでしょう。
毎年、給料が順調に増えている方は、消費を増やしても良いでしょうが、注意すべきは生活費、特に固定費を増やさないことです。先ほども述べましたが、いったん上げてしまった生活レベルは、なかなか下げることができません。給料が増えたから広いマンションに引っ越す、大きな車に乗る、そういったことにお金を使うと、毎月発生する固定費が増えますから、いざ、給料が下がった時に対応が難しくなります。
それよりも、収入が増えたのなら、それを余暇に使うべきです。
レジャーにお金を使う方が、後に何も残らないので無駄だと思うかもしれません。
しかし、旅行に出かけたり、遊園地に遊びに行ったりした時の支出は単発的なので、今後も継続的に発生するというものではありません。だから、給料が下がった場合には、海外旅行ではなく国内旅行に変更するとか、泊りがけではなく日帰りにするとか、工夫をすることで対応が可能です。旅行に行く回数を減らすという選択もできます。
このように余暇に使うお金は、その後の家計に影響を与えません。だから、給料が順調に増えていて、景気の拡大に少しでも貢献しようと思うのなら、旅行や遊園地などのレジャーにお金を使うべきです。
そして、普段の生活は切り詰めれるところはできるだけ切り詰めて、生活費を低く抑える努力をしましょう。
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