家電や家具など高額な買い物は買い替え費用を減価償却で貯金しておく

電化製品や家具は、必ず寿命があります。

だから寿命が来た家電や家具は、新品と買い替えなければなりません。しかし、洗濯機や冷蔵庫のような高額な家電の場合、壊れた時にすぐに買い替え費用を用意できないことがあります。

買い替え時にすぐにお金を用意できるようにしておくためには、電化製品や家具の減価償却を行うのがおすすめです。

減価償却とは

減価償却とは、企業が保有している長期利用の固定資産をその使用期間に渡って少しずつ費用計上していくことです。

例えば、営業用の自動車を200万円で購入した場合、200万円全額を購入した時に費用として計上するのではなく、使用期間に渡って分割で費用計上していきます。自動車の使用期間を4年とした場合、1年間の費用計上額は50万円です。4年経過した時には、購入額の200万円全額が費用計上されます。

企業が行う減価償却は、適正な期間損益計算を目的としています。4年で使う自動車を1年で費用計上すると、残り3年は自動車を使っているのに一切費用が計上されません。これでは、期間損益計算が歪められてしまうので、4年で使う200万円の自動車は、毎年50万円ずつ4年に渡って費用計上するのです。

この減価償却の考え方を個人の私生活にも応用します。

使用期間に渡って少しずつ貯金する

減価償却と聞くと難しそうに感じますが、要は、使用期間に渡って少しずつ買い替え費用を貯金していきましょうということです。

ちなみに使用期間のことを専門的には耐用年数といいます。

例えば、現在自宅にある家電の購入金額と耐用年数を以下のように見積もったとします。

  • テレビ:100,000円、5年
  • 冷蔵庫:150,000円、6年
  • 洗濯機:50,000円、5年
  • 電子レンジ:30,000円、6年

次に購入金額を耐用年数で割った金額を計算します。

  • テレビ=100,000円/5年=20,000円
  • 冷蔵庫=150,000円/6年=25,000円
  • 洗濯機=50,000円/5年=10,000円
  • 電子レンジ=30,000円/6年=5,000円

そして、それぞれの減価償却費を合計します。この例では、減価償却費の合計額は60,000円です。

この60,000円を毎年の貯金額とするのです。1ヶ月当たりだと5,000円ですね。

追加購入した家電や家具も減価償却して加算していく

毎月5,000円ずつ貯金していけば、5年経過時点でテレビ100,000円と洗濯機50,000円の買い替え費用が貯まっています。後は、壊れた時に買いかえるだけです。

また、追加で60,000円のエアコンを購入した場合、耐用年数を5年と見積もったら、毎年12,000円、すなわち毎月1,000円ずつ減価償却費が増加するので、月々の貯蓄額は6,000円となります。

すでにテレビと洗濯機の減価償却を終えているのであれば、年間30,000円の貯蓄は不要となるので、月々の貯蓄額が2,500円減少します。したがって、毎月の貯蓄額は3,500円となります。

金庫

減価償却費を計算して毎月の貯蓄額を決める際には、いつまで貯蓄を続けるかも記録しておきましょう。

5年で減価償却を行うのであれば、購入日から5年後が貯金の満期日になります。満期日が到来しても貯金をしたい方はすれば良いですが、その場合でも、買い替え費用を用意するための月々の貯蓄合計額がいくらなのかは把握しておきましょう。

耐用年数を決定する場合は、その家電や家具をいつまで使用するのかを判断しなければなりません。耐用年数を何年にするかは自由です。冷蔵庫を5年間使いたいのなら耐用年数は5年、6年使いたいのなら耐用年数は6年です。

ただ、多くのメーカーが部品の保管期限を7年に設定しているので、どんなに長くても耐用年数は7年にしておきましょう。

 

減価償却は簿記の知識です。

簿記は、仕事だけに役立つ知識だと思われがちですが、実は、このように家計の管理にも役立つ知識です。家計簿をつける場合でも、簿記3級程度の知識があった方が、記帳が楽になりますし、黒字か赤字か、将来的にどれだけの貯金が必要かといった情報も理解しやすくなります。

パートや派遣で、働くことを考えている方なら、簿記は勉強しておいて損はないです。

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