住宅ローンを組んでマイホームを取得した場合、確定申告をすれば住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けることができます。
借金をしてマイホームを購入した人、また、これから購入しようと考えている人は、きっと住宅ローン控除をあてにしていることでしょう。でも、住宅ローン控除を生活費に充当すべきではありません。浮いたお金は、ローン返済が苦しくなった時など、万が一の事態に備えて貯金しておきましょう。
住宅ローン控除は期限付き
住宅ローン控除は、居住者が住宅ローン等を利用して、マイホームの新築、取得又は増改築等をし、当該マイホームに自分が住んでいる場合において、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除するものです。
簡単に言うと、年末の住宅ローンの残高に応じて、所得税額を少なくできる制度ということです。
住宅ローン控除についてよく勘違いしている人がいます。その勘違いとは、住宅ローンが残っている限り、毎年の所得税額が少なくなるというものです。でも、住宅ローン控除には期限があるので、必ずしも返済期間に渡って控除を受けれるわけではありません。
例えば、2021年1月~2021年12月までに住宅ローンを組んで取得したマイホームに居住した場合、以下の要件で所得税額から控除を受けることができます。
- 借入金等の年末残高の限度額:4,000万円
- 控除率:1.0%
- 控除期間:10年
- 各年の控除限度額:40万円
- 最大控除額:400万円
まず、必ず知っておかなければならないことは、控除期間です。上記の場合だと10年間しか控除を受けられません。なので、35年ローンでマイホームを取得した場合、25年は控除を受けることができません。決して、ローンの返済期間に渡って所得税額が少なくなるわけではないのです。
10年間の控除額は万が一に備えて貯金する
例えば、最初の10年間の住宅ローンの年末平均残高が2,000万円だった場合、毎年20万円の控除を受けられるので、10年間で200万円になります。
確定申告をして20万円所得税が還ってきたからと言って、それを生活費に充当したり、旅行や外食に使ったりしてはいけません。住宅ローン控除は、ボーナスと同じような性格を有しています。つまり、毎年、必ず発生する収入ではないのです。
控除を受けられるのは最初の10年間だけです。でも、控除の対象となっているのは住宅ローンなのですから、ローン期間に渡って少しずつ返済に充てていくか、万が一に備えて貯金しておくべきです。
節約全般に関して言えることですが、臨時的に発生した収入は、日々の生活費に充てるべきものではありません。臨時収入がないことが当たり前なのですから、それを見込んで支出の計画を立てることは危険です。
臨時収入なのだから、レジャーに使っても問題ないと思う方もいるでしょう。
でも、よく考えてください。
住宅ローンを組んでマイホームを取得する場合、住宅販売会社も金融機関も、住宅ローン控除を受けられるのだから、その分住宅価格を高くしよう、その分金利を高くしようと考えているはずです。つまり、住宅ローン控除という制度がなければ、その分だけ住宅価格は安かったかもしれませんし、住宅ローン金利は低かったかもしれないのです。
このように考えれば、住宅ローン控除は得しているわけではないのです。
そのことをしっかりと理解して、住宅ローン控除で戻ってきた税金は、ローンの返済に充てるか万が一に備えて貯金しておきましょう。また、住宅ローンを組む場合は、固定金利で借りるようにしましょう。
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