まとまったお金を銀行の普通預金や郵便局の普通貯金に預けている場合、少しでも金利が有利な定期預金や定期貯金にその一部を預け替えしようと考える方が多いです。
でも、長期の定期預金や定期貯金にお金を預けるのなら、まずは個人向け国債を検討すべきです。
1万円から購入できる
個人向け国債は、郵便局の窓口などで購入できます。1万円単位1万円以上から買えるので、毎月少しずつ買いやすいですね。
個人向け国債には、固定3年、固定5年、変動10年の3種類があります。各年数は満期の年数を表しています。固定は固定金利、変動は変動金利が適用されるという意味です。
利息は、半年に1回受け取れます。最低利率は税引き前で0.05%と決まっているので、これよりも低くなることはありません。この記事を書いている2021年4月時点では、固定3年と固定5年が最低利率の0.05%、変動10年が0.05%です。それでも、銀行の定期預金利率が0.002%程度なので、個人向け国債の方が利回りが有利です。
ただ、個人向け国債は半年に1回金利を受け取るので、利息計算は単利となります。銀行や郵便局の定期も3年未満の場合は単利となることが多いですが、それ以上の期間の長期の定期になると複利計算されることがよくあります。
単利しか選べない個人向け国債は、金融機関の定期よりも不利に思えます。しかし、民間企業の金融機関よりも安全性が高いですし、利率も高いですから、短期の定期預金や定期貯金に預けるなら個人向け国債を選んだ方が良いでしょう。
変動金利を選ぶべき
では、個人向け国債を買うとして、固定か変動のどちらを選ぶべきでしょうか?
固定なら期間は3年ですが、変動だと期間は10年です。10年もお金を使えないのは心配だから固定を選んだ方が安心だと考えてしまいますが、個人向け国債は発行後1年経過すれば中途換金ができるので変動10年でも心配はいりません。1年未満でも、死亡や災害など特別な事情があれば中途換金は可能です。ただ、中途換金すると、直近2回分の税引き後利息を手数料として支払わなければなりません。つまり1年分の利息ですね。
なお、税率が約20%なので、支払う手数料は2回分の金利の約80%となります。
中途換金ができるのであれば、固定金利ではなく変動金利を選ぶべきです。金利は常に動いていますから、個人向け国債を購入してすぐに金利が上昇することだってあり得ます。特に最低金利が適用されている状況なら、現在の利率よりも高くなることはあっても低くなることはありません。したがって、将来の金利上昇を期待するために個人向け国債は、変動10年を選ぶべきです。
なお、金利の見直しは半年ごとに行われます。
短期間なら定額貯金に預けるのもあり
個人向け国債が中途解約できるからと言っても、やはり10年間も換金せずにいるのは不安だという方もいるでしょう。
そういう場合、変動10年だけでなく、固定3年や固定5年の国債にも投資をしておこうと思うかもしれません。しかし、将来の金利上昇を考慮すれば、個人向け国債を固定金利で買うのは得策ではありません。
もしも、固定3年や固定5年で国債を買うことを考えるのなら、郵便局の定額貯金に預けておいた方が良いでしょう。
定額貯金は1,000円単位で預け入れできます。据置期間が6ヶ月なので、この期間を過ぎれば、いつでも払い戻し可能ですし、一部の払い戻しもできます。また、金利は半年複利で付きますから、単利で計算される短期の定期預金や定期貯金よりも有利です。金利が上昇すれば、定額貯金を解約して再び高い金利の定額貯金に預け入れるのも良いですし、変動10年の個人向け国債を買うのも良いでしょう。
基本的に普通預金が、すぐに引き出せますし、インフレになれば適用利率も引き上げられますから、最も安全性が高いと言えます。ただ、適用利率がどうしても低くなるので、まとまったお金を少しでも有利に運用しようと思うなら、個人向け国債を検討してはどうでしょうか?
なお、個人向け国債は郵便局の窓口で買えますので、お近くの郵便局で案内をもらうと良いでしょう。
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